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| 「超小型圧縮機の開発」と「巨大水門崩壊のメカニズム」に迫る |
■快適な生活をサポートする圧縮機の研究開発
■学生結婚が招いた(?)2つの研究テーマ
■数奇な運命を辿る「巨大水門・振動現象の研究」
■異なる2大テーマを探求した結果… | |
| 高性能、低振動、低騒音の超小型スクロール圧縮機を実現する |
では、あらためて一つ目のテーマである「スクロール圧縮機」について、もう少し詳しく説明することにしましょう。ここに実際の圧縮機の断面があります。中心部に圧縮機部分がありまして、冷媒(かつてはフロンを使い、現在ではHFCと呼ばれる物質)を圧縮します。初期の段階では、そのメカの部分は自動車のエンジンと同じで、レシプロ型だったんですね。いわゆるピストン運動を行う機構です。当然、振動が大きすぎました。そこで次にロータリー型のメカに変わり、かなり騒音や振動が低減されました。しかし市場は、もっと振動の少ない、騒音の小さい、性能の良い圧縮機を要求したのです。それでこの模型のような「スクロール圧縮機」を開発する必要に迫られたわけです。
■スクロール圧縮機の特性
■コンピュータシミュレーション技術
■スクロール圧縮機の製品化
ところが僕はその時考えたのは、振動がなくて静かなんだったら、どのぐらい振動が少なくて、どれだけ静かなのかをシミュレーションして計算できるようにしておかないといけないと思い立ったんですね。それで研究を始めてそうしたシミュレーションも可能になったわけです。その知識が今になって大切になってきています。スクロールがいいのは認知されてわぁーと人が集まってきた。ところが一言にスクロールといっても、いろんな形状が考えられるんですね。いろんな形状について常に振動が少ないかというと、やはり、いろいろ振動も変わってくる。そこでこういう形状にしたら振動がどのぐらいになるか、摩擦の要素はどうなるかをやっぱり、シミュレーションできるようにしておかないと最適設計ができなかった。 | |
| テンタゲート(巨大水門)の振動の秘密に迫る! |
■現地調査で膨大なデータを収集
■データをベースに進める理論解析とモデルによる実験
■実物の水門での照合
ところが学生がモデルを作って実験をやってくれたんです。そうすると見事に揺れるんですね。その時、揺れるような状況というのは、私が過去の研究から設定していたんですけど、揺れるのは当たり前といえば当たり前だったんですけど、私が揺れないと思っていた状況でも揺れる、ということを学生が見つけてくれた。それで私、巨大水門崩壊につながる振動のメカニズムを思いついた。で、それで理論解析するとそれをちゃんと説明できるような解がでました。これには感動しましたね。やっぱり私たちの研究室を支えてくれているのは学生たち自身だな、この研究室が一丸となって作り上げているチームとしてのパワーを感じましたね。 | |
| MESSAGE 人と人との人間関係を大切にしながら 遊びと研究、その両方にのめり込む情熱を胸に 科学技術に携わる者の使命感と責任感を感じたいですね |
■本質を理解すれば受験勉強も役に立つ!
■のめり込む情熱と、人と人との礼儀礼節が大切
■科学技術分野の研究者がもつべき使命と責任